製作法紹介 1
家庭用簡易旋盤
「旋盤があれば、この部品 簡単に製作出来るのになー」
模型製作時、だれしも考えることと思います。
小さな部品であれば、電気ドリルにくわえ、
ヤスリで削って簡易旋盤加工が出来るのですが、
大きな部品ではそうもいきません。
そんなわけで、家庭でも大型部品を旋盤加工するために考えた方法です。
これが家庭用簡易旋盤に使用する全てです。
この方法は ポリパテによるロールゲージ法をヒントにしました。
手回し式の木工旋盤 というイメージでしょうか。
加工は、スチロール樹脂(ブラ板)、プラキャストが向いています。木材は無理です。
加工物は、加工前に極力、ヤスリ等で回転体に近づけた方が加工が楽です。
(実際の(旋盤を用いた)旋盤加工でも、角柱から円柱を削り出すのは、大変です。)
○茶色の板に鉄棒が刺さっているのがベース部
○左上のアルミ板がゲージ部
○左下の釣り鐘型のものが、今回旋盤加工するものです。
○中央下にある白い円盤は、今回使用した、加工物用の治具です(詳細は後述します)。
○右側のノミで削っていきます。これは、100円ショップで購入した平ノミで十分です。
ベース部の板は、厚み15〜20t程度の、丈夫な平らで滑らかな板であれば、何でもよいです。
(私は学生時代に拾ったベークライト板を使用してます。 当時拾ったまんまの形です(笑))
表面を樹脂でコーティングしたコンパネ(厚いベニヤ板)あたりが安価でよいと思います。
端材コーナに行くと丁度よい板が見つかると思います。
板が薄い場合は、2〜3枚重ねて、木ねじで止めてください。
ベース部の棒は、Φ4のステンレス棒を使用しました。
棒は板に対して垂直が理想です。板にあける穴はボール盤で加工します。
(ボール盤が家庭に無い場合は、ホームセンター等で、有料にてあけてもらえます。
穴の径は、棒の径と同一径です。)
ゲージ部です。
ブラ板で内径Φ4の真ちゅうパイプを挟込み、アルミ板にネジ止めし、
瞬間接着剤で補強しただけの簡単な器具です。
アルミ板は変形しない強度があればよいので、0.8tで十分です。
アルミ板の形状は、旋盤加工する形状により作り換えてください。
ここでは、(旋盤加工する)加工物の仕上がり形状にいています。
色々実験してみましたが、アルミ板は0.8tまでであれは、
比較的簡単に加工が出来ます。
アルミ板の切り出しは、カッターを用いて傷を付けた後、
Pカッターで傷を深くし、
ペンチ、万力等で曲げながら金属疲労を利用して折り切っていきます。
(経験上、アルミ板が1.0tになるだけでと、けっこう切り出しが大変になります)。
ケージ部の真鍮パイプと、ベース部の棒は、
がたつき無く、かつ、滑らかに動くのが理想です。
(パイプによっては、内径が若干小さい場合があります。
棒側を目の細かいサンドペーパーで磨くか、
パイプの内径を丸ヤスリでヤスる等して調整してください。)
このまま棒の周りにポリパテを盛り付け、
ケージ部を回転させれば ロールゲージ法になります。
加工物です。これは、フレームを作り、
プラ板の細切りを2層重ねて貼り付けて製作したものです。
しかし、私の技術不足で、綺麗な回転体になりませんでした。
旋盤加工して、綺麗な回転体にします。
本加工をする場合、加工物は、
プラ板から切り出した円板を積層したものが最も適しています。
今回、旋盤加工する物は、下側が抜けた正に釣り鐘形状をしております。
回転の中心がずれやすい為に、下側に円盤状の治具をはめ込みます。
(加工物がきちっと芯がでる形状であれば、不要です。)
ベース部に加工物(治具付き)を差込み、更に、ケージ部を差し込みます。
ケージ部のアルミ板にノミを添え、指でしっかり固定します。
このまま加工物を手で、ゆっくり回転させていきます。
回転は時計回りです。
(注 私は左利きなので、右利きの方は、左右を逆にしてやってください。m(_ _)m)
イメージは、カッターの刃をたてて、プラ板を削る加工と同じです。 こつは、ノミで削る深さを浅くすることです。
加工物が1回転し、削る部分が無くなったら、ノミの削る深さを再調節し、ふたたび切削します。
加工物を回転中させている最中は、ノミはしっかり指で固定するのがコツです。
別の箇所を旋盤加工するときは、回転を止め、ノミを移動させ、再び指で固定してください。
全体に表面を軽く 削ってみました。
白い部分が削った箇所です。これだけ歪んでました。
この後、全体の様子を見ながら、少しづつ、上から旋盤加工していきます。
欠けている先端部も造ります。
円盤状のプラ板(1.0t)を積層したものを接着し、同様に旋盤加工していきます。
小さなもの(高さ10〜20mm程度、直径Φ20程度まで)を加工する場合は、
回転させづらいので、手で回転させるための適当な台を製作し、
台に裏からM2程度のネジでネジ止めすると良いです。
瞬間接着剤は、せん断力には弱いので、あまりお勧めできません。
これで、綺麗な回転体が出来ました。
この方法を使うと、フルスクラッチで”プロボット”や、”重機動メカ”なんかが造れます。
どなたか1/6で”プロボット”スクラッチしてみませんか?
(そういえば、ガレージキットであったような−−−−−)
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