maru なーご先生のカウンセリング室

製作予定 もしくは完成しない理由

第1回診察  海洋堂  ザトウクジラ(ソフビ)


看護士 : 「次の方 どーぞ」

腰痛(以下 腰) : 「先生− また腰痛がひどくて−−−って、え?何で女医さんなの? いつもの先生は?」

な〜ご先生(以下 な) : 「ここは、な〜ご先生のカウンセリング室です。」

腰 : 「あーすいません。診察室 間違えましたー(と、出ていこうとする)」

な : 「ちょっと待ってください。 なんですんか、その手に持っている巨大なエビフライみたいなものは?」

腰 : 「(手に持っている物に気づき)おおっ!!、何でこんな物がこんな所にっ!これは昔、発売になった、海洋堂 ソフビキット−−−ザトウクジラ−−です−−−。」


ザトウクジラ

な : 「なんで、徐々にテンションが下がっていくのよ。鬱屈した臭いがするわね−。 折角なので、お座りなさい。」

腰 : 「−−−−−−(しぶしぶ椅子に腰を下ろす)」

な : 「(ザトウクジラを手にとり)昔、買ったわりには、まったく完成していないけど どうして?」

腰 : 「ぎくっ!!」

な : 「(ザトウクジラをいじくり回しながら)一様、作る意思はあったみたいだけど−−−」

腰 : 「(サトウクジラを奪い取り) いまだって、作る意思満々ですよ! 見てください、大型のソフビキットは熱で変形するので胴体の中に、手でよくもんだ新聞紙をつめて、接着して、つぶれないようにしてあるんです。おかげで、10年以上はたっているにもかかわらず、未だにふっくらとした、美しい流線型のままですっ!!」


ザトウクジラ斜

な : 「ほほう」

腰 : 「さらに、しっぽや、背びれの端は、薄く削って、シャープにまでしてあるんです!! ソフビを削って、サンドペーパーで整形するのにどれだけ苦労したか−−−−(と涙ぐむ)」


ザトウクジラ尾

な : 「がんばったわねー」

腰 : 「さらに、塗装資料用に、当時の科学雑誌を集めまくり、ザトウクジラのビデオまで買ったんですよ。展示用のベースに、かっこいい流木も東急ハンズ 渋谷店の木工売場で買ったんです。!!」

な : 「資料集め等にも そうとう力を入れていたわけね」

腰 : 「これの完成品を想像してみてくださいよ!リビングルームにあるだけで、部屋の格調が上がり、自然保護にも力を入れていることが、ありありと分かるじゃないですか。更にっ、もし間違って、家にヨーロッパ人が遊びに来た時でも、これがあるだけで、クジラの美しさがわかる日本人っていうことで、親友になれそうな気がするじゃないですか!!」

な : 「家にヨーロッパ人が、間違って遊びに来るようなことは 間違っても あ・り・ま・せ・ん・っ!」

腰 : 「くわえてっ、メンタル面でのサポートも怠りませんでした。大原まりこさんの”銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ”という短編をバイブルとし、ザトウクジラの歌と、サックスのコラボレーションした、”鯨の歌”とかいうアルバムも 四六時中聞きました。」

な : 「ああ、思い出したわ、昔ウイスキーのCMでも使ってた曲よね。確か、詩も一緒に朗読してたわよね」

腰 : 「そうですそうです。映画スタートレック4 ”故郷への長い旅”でクリンゴン・バード・オブ・プレイのH.M.S.バウンティ号に収容したザトウクジラの前で、カーク船長も同じ詩を朗読してましたっ!!」

な : 「ひよっとして、格調高いとか、自然保護とかじゃなくて、ただの ”トレッキー”か”SFマニア”なんじゃないの?」

腰 : 「ぎく ぎく ぎくっ  ぎくうっ!!! そ、そ、そんなことありませんよ(と目をそらす)」

な : 「で、それだけ準備万端ととのえて、どうして今まで、完成しないの?」

腰 : 「−−−−−−とある冬の寒い日、製作中、手を滑らせて床に落としたら、ソフビなのに、胸ひれが ぽっきり折れました−−−−−−(涙ぐむ)」

ザトウクジラ尾


な : 「−−−−で、テンションが一気に下がったと−−−−−−−−−−−−」

腰 : 「−−−−−(弱々しくうなずく)−−−−−−−−−−−」


−−−−−気まずい時間が流れる−−−−−−


な : 「しばらく ここに通いなさい。」


腰 : 「−−−−そうします−−−−」



つづく



注)な〜ご先生は”な〜ごの部屋”担当 ”な〜ごさん”とは別人です。



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