maru 1/3 ナウシカ製作記 

VOL.9A 短剣編-------------1/1



まず、
設定のナウシカの短剣を確認します。


TANKGEN01
Fig. 9A-1 
参考文献 : 宮崎駿、アニメージュコミック ワイド版 風の谷のナウシカ2、徳間書店。


こちらが、原作版 ナウシカの短剣。


TANKANI02
Fig. 9A-2 
参考文献 : アニメージュ編集部編 THE ART OF NAUSICAA、徳間書店。


こちらが、劇場版 アニメのナウシカの短剣です。

両方の設定の、折衷案で行きます。


S78
609
Fig. 9A-3 

まず、設定を参考に、プラ板で、
構造検証用モデルを作成します。


で、
短剣といえば、
金属部品を使用したほうがカッコイイ
と妄想しました。


ということで、
久しぶりの、本格的な金属加工です(喜)。

というのも、
子供が小さい(当時1歳)ので
危険防止のため、しばらく、
本格的な金属加工(電動工具を使用する加工)
自粛しておりました。

それで、現在も、
子供が寝静まった(家族が寝静まった)後でないと
金属加工ができません。

というわけで、電動ドリルは、ウルサイので
しばらく 封印します----(滝涙)



では、まず、短剣の柄を作成します。


S63
Fig. 9A-4 

色々、実験しながら
静かに金属を切り出せる方法を模索しました。

それでは、切り出し方法をご紹介します。
(同じ部品を作る工程にて説明いたします)。


S64
Fig. 9A-5 

加工済の1mm厚の真ちゅう板と、
これから切り出す真ちゅう板を重ね、
ねじでしっかり固定します。


S65
Fig. 9A-6 

やはり、静かに穴をあけるには、
(手回し式)ハンドドリルしかありませんでした------。


S66
Fig. 9A-7 

加工する真ちゅう板を、
ねじで木製板に固定した後、

センタポンチで穴をあける位置を決め、


S67
Fig. 9A-8 

ひたすら、ハンドドリルで穴を開けます。
-------(1世代前に戻りました)


S68
Fig. 9A-9 

穴が開きました。


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Fig. 9A-10 

木板から、真ちゅう板を取り外し、


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Fig. 9A-11 

毎度の、"食い切り"で強引に切っていきます。


S1
Fig. 9A-12 

ひたすら、切ります。


S71
Fig. 9A-13 

切り終わりました。


S72
Fig. 9A-14 

切り出した真ちゅう板を万力でしっかり固定し、

やすりで成形します。


S2
Fig. 15 

こんな形になります。


S73
Fig. 9A-16 

重ねて、しっかりハンダ付けします。

不要なハンダ部分は、やすりで削ります。

これは、短剣の柄の部分になります。


S76
Fig. 9A-17 

柄頭(つかがしら)をやすりで成形し、

こんな風に、片側から、ドリルで穴を開けます。

(この穴の目的は、最後にわかります)


S75
Fig. 9A-18 

柄頭の飾りを作ります。

こんな形に、真ちゅう板をやすりで加工します。


S3
Fig. 9A-19 

柄頭に、柄頭の飾りをハンダ付けし、


S74
Fig. 9A-20 

柄頭全体をやすりで成形します。


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Fig. 9A-21 

柄頭は、こんな感じになります。


S84
Fig. 9A-22 

短剣の刃を固定する部分も、
やすりで、角を落とし、
滑らかな曲面にします。



S81
Fig. 9A-23 

護拳(手を守る部分)を作ります。

2mm厚の真ちゅうバーをL字に曲げ、


S83
Fig. 9A-24 

やすりで形成します。


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Fig. 9A-25 

各部をやすりで形成し、
上の部分に穴を開けます。


S85
Fig. 9A-26

護拳の部分は、滑らかな曲面にしたいので、
削りこみを考慮して
同じ形状にした、2mm厚真ちゅうバーを重ねて
やすりで成形します。


S6
Fig. 9A-27 

今、全体で、
こんな感じになってます。



S89
S87
Fig. 9A-28 

護拳の製作に戻ります。

2枚をハンダ付けして、
やすりで削り込みます。

上部の穴を貫通させます。


S90
Fig. 9A-29 

護拳の上面も、
滑らかな曲面にやすりで削り出していきます。


S8
Fig. 9A-30 

柄と護拳が形になりました。


S91
Fig. 9A-31 

組み合わせると、
こんな感じです。


S93
Fig. 9A-32 

柄にマホガニーの板を貼りつけます。
(接着はGボンドクリアー)


S9
Fig. 9A-33 

セラミック刀なので、
感じを出すため、乳白色のアクリル板を
羽の形に切り出します。


S10
Fig. 9A-34 

やすりで成形し、


S94
Fig. 9A-35 

油性マジックで、
刃になる部分にあたりを付け、


S95
Fig. 9A-36 

やすりで削っていきます。


S112
Fig. 9A-37 

ひたすら、やすりで削ります。


S106
Fig. 9A-38 

銅の丸棒をこんな形に削ります。
(長手方向には、テーパーを付けます)
合計、2本製作します。

これは、柄と刃、柄とマホガニー板を
固定する要になります。


S24
Fig. 9A-39 

柄に接着したマホガニー板を削り
長孔を開けます。


S23
S108
Fig. 9A-40 

柄とマホガニー板を要を打って、固定します。


(刃と柄を固定する要打つところ、
写真撮り忘れてしまいましたm(_ _)m)



S22
TAkaname
Fig. 9A-41 

余った要を1mm位残して切り取り、
余分に出た1mm分は、金づちで両側を潰します。


S97
Fig. 9A-42 

鞘を作ります。
桧板にCADで製作した型紙を貼り


S98
Fig. 9A-43 

まず、こんな形に切り出します。


S99
Fig. 9A-44 

内側をやすりで削ります。


S62
Fig. 9A-45 

2枚、こんな風に、切り出します。


S60
Fig. 9A-46 

2枚を、やすりで削った部分が内側に来るように
木工用ボンドで
しっかり接着します。


S58
Fig. 9A-47 

接着剤が、完全に乾いたら、
加工しやすいように、
この様に、中央から2つに分けます。


S57
Fig. 9A-48 

前述のやすりで削った部分を
更に、やすりで溝を成形します。


S59
Fig. 9A-49 

こんな感じの溝ができます。


S56
Fig. 9A-50 

次に、桧板で、
図中下側2枚の部品を切り出します。


S100 S55
Fig. 9A-51 

製作した桧の部品は、
短剣とこんな感じに組み合います。


S101
Fig. 9A-52 

木工用ボンドをたっぷり塗り、
各桧部品同士を接着します。


S54
Fig. 9A-53 

こんな感じになります。


S52
Fig. 9A-54 

接着剤が完全に乾いたら、
角を削って、滑らかな曲面に加工していきます。


S51
Fig. 9A-55 

途中経過、
こんな感じです。


S50
Fig. 9A-56 

次に、
こんな形を0.3mm真ちゅう板から切り出します。


S102
Fig. 9A-57 

大小、2個作ります。


S46
Fig. 9A-58 

手持ちの、金属ブロック(?)の中から、
適当な物を選び、
こんな具合に、U字型の溝を削ります。

これは、曲げ用の金型になります。


S44
Fig. 9A-59

先に加工した真ちゅう板を、
製作した金型の上に置き、

端を半円形に削ったアルミ板を
金づちで、叩きます。


S45
S43
Fig. 9A-60 

こんな形の部品になります。


S103
Fig. 9A-61 

(写真上側)
この様に、
鞘を革ひもで吊るすための
金具になります。

0.3mm真ちゅう板で製作した、
鞘の巻金具(?)も製作します。


(写真下側)
次に、
プラ板の積層で、
制作した木製の鞘と
同一サイズの金型を製作し、

先端にマスキングテープを貼り、
鞘先端の金具の形をマジックで書きます。


S41
Fig. 9A-62 

マスキングテープを切り出して、
展開図を作り、CAD化しました。

0.3mmm厚真ちゅう版に展開図(CAD化)を貼りつけ、


S32
Fig. 9A-63 

カッターでケガキを入れます。


S40
Fig. 9A-64 

本製作記の本当の新兵器、
"ハンドニブラー"です。

下側の二股状の部分を手で握ると


S39 S38 S37
Fig. 9A-65 

この様に、先端の刃が下がり、
金属をせん断します。

駅員さんがカチャカチャ 改札で使っている(いた?)
切符を切る機器のイメージでしょうか。


S36 S35
Fig. 9A-66 

実際に、
真ちゅう板を切ってみます。

こんな風に切れます。


S30
Fig. 9A-67 

ハンドにブラーで
ひたすら切り出します。


S29
Fig. 9A-68 

切り出し 終わりました。
結構、簡単に切り出せました。

ちなみに、下に落ちている
小さな長方形の真ちゅう板カスが
ハンドにブラーを使用したときに出る、
切カスです。


S28
Fig. 9A-69 

ただし、
このハンドニブラー
明らかな、欠点があります。

Fig. 9A-66で示しましたように、
刃を金属に押し付けて切るため、
切り出した金属は、
この様に、確実に曲がります。


S27
Fig. 9A-70 

金属の曲がりを直し、
周囲をやすりで成形しました。


S105
Fig. 9A-71 

成形した真ちゅう板の部品を
加工しやすいように
焼きなましし(注1)て、柔らかくし、

(注1:真ちゅうの場合、台所のガスレンジ等の炎で赤く焼き、
水に入れて、急冷すれば、焼きなましになります)

タガネを金づちでたたき
成形した真ちゅう板の中央に
折り目を付けます。


S26
Fig. 9A-72 

先に製作した、
プラ板積層で製作した鞘の原型に
真ちゅう板を巻き付けます。


S42
Fig. 9A-73 

ビニルテープで補助しながら、
真ちゅう板を金づちでたたき、
鞘先端になじませます。


S17
S18
Fig. 9A-74a

製作した鞘の金具を
全てつけてみました。

(木製の鞘は、オイルステン(マホガニー)で染めました)


KENS1
KENS2
Fig. 9A-74b

セラミック刀の先端は、
大きめのやすりをたたきつけて、
あえて、欠けさせます。
(劇中の 「セラミック刀が欠けちゃった」のシーンのためです)



S111
Fig. 9A-75 

真ちゅう製のピンを焼きなましし、
先端を金づちでたたいて、
丸くしました。


S110
S11
Fig. 9A-76 

革で各種ベルトを切り出し、

上記で製作した虫ピンをハンダ付けし
こんな感じに、
短剣の抜け止めと
手持ちひもを付けました。


S14
Fig. 9A-77 

ナウシカの短剣の完成です。


TANKASI
Fig. 9A-78 

実は、
柄頭(図左側)には、
クリアレットを塗った
透明アクリル棒を仕込んであります。

劇中の"タリア川の石"が
入っているという小細工です。

タリア川の石が落ちないように、
オイルステンで染めた、
木製の栓でふたをしてます。



------つづく------



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