1/3 ナウシカ製作記
VOL.9A 短剣編-------------1/1
まず、
設定のナウシカの短剣を確認します。
Fig. 9A-1
参考文献 : 宮崎駿、アニメージュコミック ワイド版 風の谷のナウシカ2、徳間書店。
こちらが、原作版 ナウシカの短剣。
Fig. 9A-2
参考文献 : アニメージュ編集部編 THE ART OF NAUSICAA、徳間書店。
こちらが、劇場版 アニメのナウシカの短剣です。
両方の設定の、折衷案で行きます。
Fig. 9A-3
まず、設定を参考に、プラ板で、
構造検証用モデルを作成します。
で、
短剣といえば、
金属部品を使用したほうがカッコイイ
と妄想しました。
ということで、
久しぶりの、本格的な金属加工です(喜)。
というのも、
子供が小さい(当時1歳)ので
危険防止のため、しばらく、
本格的な金属加工(電動工具を使用する加工)
自粛しておりました。
それで、現在も、
子供が寝静まった(家族が寝静まった)後でないと
金属加工ができません。
というわけで、電動ドリルは、ウルサイので
しばらく 封印します----(滝涙)
では、まず、短剣の柄を作成します。
Fig. 9A-4
色々、実験しながら
静かに金属を切り出せる方法を模索しました。
それでは、切り出し方法をご紹介します。
(同じ部品を作る工程にて説明いたします)。
Fig. 9A-5
加工済の1mm厚の真ちゅう板と、
これから切り出す真ちゅう板を重ね、
ねじでしっかり固定します。
Fig. 9A-6
やはり、静かに穴をあけるには、
(手回し式)ハンドドリルしかありませんでした------。
Fig. 9A-7
加工する真ちゅう板を、
ねじで木製板に固定した後、
センタポンチで穴をあける位置を決め、
Fig. 9A-8
ひたすら、ハンドドリルで穴を開けます。
-------(1世代前に戻りました)
Fig. 9A-9
穴が開きました。
Fig. 9A-10
木板から、真ちゅう板を取り外し、
Fig. 9A-11
毎度の、"食い切り"で強引に切っていきます。
Fig. 9A-12
ひたすら、切ります。
Fig. 9A-13
切り終わりました。
Fig. 9A-14
切り出した真ちゅう板を万力でしっかり固定し、
やすりで成形します。
Fig. 15
こんな形になります。
Fig. 9A-16
重ねて、しっかりハンダ付けします。
不要なハンダ部分は、やすりで削ります。
これは、短剣の柄の部分になります。
Fig. 9A-17
柄頭(つかがしら)をやすりで成形し、
こんな風に、片側から、ドリルで穴を開けます。
(この穴の目的は、最後にわかります)
Fig. 9A-18
柄頭の飾りを作ります。
こんな形に、真ちゅう板をやすりで加工します。
Fig. 9A-19
柄頭に、柄頭の飾りをハンダ付けし、
Fig. 9A-20
柄頭全体をやすりで成形します。
Fig. 9A-21
柄頭は、こんな感じになります。
Fig. 9A-22
短剣の刃を固定する部分も、
やすりで、角を落とし、
滑らかな曲面にします。
Fig. 9A-23
護拳(手を守る部分)を作ります。
2mm厚の真ちゅうバーをL字に曲げ、
Fig. 9A-24
やすりで形成します。
Fig. 9A-25
各部をやすりで形成し、
上の部分に穴を開けます。
Fig. 9A-26
護拳の部分は、滑らかな曲面にしたいので、
削りこみを考慮して
同じ形状にした、2mm厚真ちゅうバーを重ねて
やすりで成形します。
Fig. 9A-27
今、全体で、
こんな感じになってます。
Fig. 9A-28
護拳の製作に戻ります。
2枚をハンダ付けして、
やすりで削り込みます。
上部の穴を貫通させます。
Fig. 9A-29
護拳の上面も、
滑らかな曲面にやすりで削り出していきます。
Fig. 9A-30
柄と護拳が形になりました。
Fig. 9A-31
組み合わせると、
こんな感じです。
Fig. 9A-32
柄にマホガニーの板を貼りつけます。
(接着はGボンドクリアー)
Fig. 9A-33
セラミック刀なので、
感じを出すため、乳白色のアクリル板を
羽の形に切り出します。
Fig. 9A-34
やすりで成形し、
Fig. 9A-35
油性マジックで、
刃になる部分にあたりを付け、
Fig. 9A-36
やすりで削っていきます。
Fig. 9A-37
ひたすら、やすりで削ります。
Fig. 9A-38
銅の丸棒をこんな形に削ります。
(長手方向には、テーパーを付けます)
合計、2本製作します。
これは、柄と刃、柄とマホガニー板を
固定する要になります。
Fig. 9A-39
柄に接着したマホガニー板を削り
長孔を開けます。
Fig. 9A-40
柄とマホガニー板を要を打って、固定します。
(刃と柄を固定する要打つところ、
写真撮り忘れてしまいましたm(_ _)m)
Fig. 9A-41
余った要を1mm位残して切り取り、
余分に出た1mm分は、金づちで両側を潰します。
Fig. 9A-42
鞘を作ります。
桧板にCADで製作した型紙を貼り
Fig. 9A-43
まず、こんな形に切り出します。
Fig. 9A-44
内側をやすりで削ります。
Fig. 9A-45
2枚、こんな風に、切り出します。
Fig. 9A-46
2枚を、やすりで削った部分が内側に来るように
木工用ボンドで
しっかり接着します。
Fig. 9A-47
接着剤が、完全に乾いたら、
加工しやすいように、
この様に、中央から2つに分けます。
Fig. 9A-48
前述のやすりで削った部分を
更に、やすりで溝を成形します。
Fig. 9A-49
こんな感じの溝ができます。
Fig. 9A-50
次に、桧板で、
図中下側2枚の部品を切り出します。
Fig. 9A-51
製作した桧の部品は、
短剣とこんな感じに組み合います。
Fig. 9A-52
木工用ボンドをたっぷり塗り、
各桧部品同士を接着します。
Fig. 9A-53
こんな感じになります。
Fig. 9A-54
接着剤が完全に乾いたら、
角を削って、滑らかな曲面に加工していきます。
Fig. 9A-55
途中経過、
こんな感じです。
Fig. 9A-56
次に、
こんな形を0.3mm真ちゅう板から切り出します。
Fig. 9A-57
大小、2個作ります。
Fig. 9A-58
手持ちの、金属ブロック(?)の中から、
適当な物を選び、
こんな具合に、U字型の溝を削ります。
これは、曲げ用の金型になります。
Fig. 9A-59
先に加工した真ちゅう板を、
製作した金型の上に置き、
端を半円形に削ったアルミ板を
金づちで、叩きます。
Fig. 9A-60
こんな形の部品になります。
Fig. 9A-61
(写真上側)
この様に、
鞘を革ひもで吊るすための
金具になります。
0.3mm真ちゅう板で製作した、
鞘の巻金具(?)も製作します。
(写真下側)
次に、
プラ板の積層で、
制作した木製の鞘と
同一サイズの金型を製作し、
先端にマスキングテープを貼り、
鞘先端の金具の形をマジックで書きます。
Fig. 9A-62
マスキングテープを切り出して、
展開図を作り、CAD化しました。
0.3mmm厚真ちゅう版に展開図(CAD化)を貼りつけ、
Fig. 9A-63
カッターでケガキを入れます。
Fig. 9A-64
本製作記の本当の新兵器、
"ハンドニブラー"です。
下側の二股状の部分を手で握ると
Fig. 9A-65
この様に、先端の刃が下がり、
金属をせん断します。
駅員さんがカチャカチャ 改札で使っている(いた?)
切符を切る機器のイメージでしょうか。
Fig. 9A-66
実際に、
真ちゅう板を切ってみます。
こんな風に切れます。
Fig. 9A-67
ハンドにブラーで
ひたすら切り出します。
Fig. 9A-68
切り出し 終わりました。
結構、簡単に切り出せました。
ちなみに、下に落ちている
小さな長方形の真ちゅう板カスが
ハンドにブラーを使用したときに出る、
切カスです。
Fig. 9A-69
ただし、
このハンドニブラー
明らかな、欠点があります。
Fig. 9A-66で示しましたように、
刃を金属に押し付けて切るため、
切り出した金属は、
この様に、確実に曲がります。
Fig. 9A-70
金属の曲がりを直し、
周囲をやすりで成形しました。
Fig. 9A-71
成形した真ちゅう板の部品を
加工しやすいように
焼きなましし(注1)て、柔らかくし、
(注1:真ちゅうの場合、台所のガスレンジ等の炎で赤く焼き、
水に入れて、急冷すれば、焼きなましになります)
タガネを金づちでたたき
成形した真ちゅう板の中央に
折り目を付けます。
Fig. 9A-72
先に製作した、
プラ板積層で製作した鞘の原型に
真ちゅう板を巻き付けます。
Fig. 9A-73
ビニルテープで補助しながら、
真ちゅう板を金づちでたたき、
鞘先端になじませます。
Fig. 9A-74a
製作した鞘の金具を
全てつけてみました。
(木製の鞘は、オイルステン(マホガニー)で染めました)
Fig. 9A-74b
セラミック刀の先端は、
大きめのやすりをたたきつけて、
あえて、欠けさせます。
(劇中の 「セラミック刀が欠けちゃった」のシーンのためです)
Fig. 9A-75
真ちゅう製のピンを焼きなましし、
先端を金づちでたたいて、
丸くしました。
Fig. 9A-76
革で各種ベルトを切り出し、
上記で製作した虫ピンをハンダ付けし
こんな感じに、
短剣の抜け止めと
手持ちひもを付けました。
Fig. 9A-77
ナウシカの短剣の完成です。
Fig. 9A-78
実は、
柄頭(図左側)には、
クリアレットを塗った
透明アクリル棒を仕込んであります。
劇中の"タリア川の石"が
入っているという小細工です。
タリア川の石が落ちないように、
オイルステンで染めた、
木製の栓でふたをしてます。
------つづく------