1/3 ナウシカ製作記
VOL.8 ブーツ編-------------1/1
ブーツを製作していきます。
Fig. 7-0
参考文献 : 宮崎駿、アニメージュコミック ワイド版 風の谷のナウシカ2、徳間書店。
原作ナウシカの設定では
●靴は柔らかいナメシ革製のもの。
●かかとがなく歩行向きではない。
とあります。
まず、靴屋さんでイメージが合いそうな革製ブーツを
眺めて、デザインを決めます。
Fig. 8-1
まず、足にマスキングテープを3〜4枚
重ねて貼り、ブーツの形を作ります。
マジックで、縫製ラインを入れて、
カッターで切っていきます。
Fig. 8-2
製作した型紙から
豚革を切り出します。
Fig. 8-3
縫い目は1.5mm間隔です。
革用縫い針を付けたピンバイスで
穴を開けます。
Fig. 8-4
開けた穴を用いて
各パーツを縫っていきます。
縫い方は、いつもの本返し縫い。
Fig. 8-5
こんな感じになります。
あとは、ひたすら、全パーツを
縫って行きます。
-----地味---
Fig. 8-6
で、全パーツを縫い終わったって、
型紙を剥がしたところ----失敗です。
Fig. 8-7
革から、型紙を外したところ、
型紙を張り付けるときに使用した
両面テープが やっぱり綺麗に剥がれません。
接着剤が残ってしまいます(泣)。
Fig. 8-8
というわけで、 毎回の奥の手です。
革に残った両面テープは無理に剥がさずに そのままにします。
広口瓶に縫った革を入れ、
Mr.カラ−用薄め液に浸します。
瓶を振って しばらくバシャバシャと洗うと
Fig. 8-9
両面テープの糊が溶けて浮き出し
最終的には、このように革と分離されます。
最後に、綺麗なMr.カラーの薄め液で
すすぐことを忘れずに。
Fig. 8-10
Mr.カラー用薄め液が完全に乾きました。
やっと、接着剤が取れました。
Fig. 8-11
靴の両側に出来る縫いしろは
邪魔になるので
Gボンドクリアで
こんな感じに左右に倒して接着します
(写真 撮り忘れてました----m(_ _)m)
Fig. 8-12
厚紙で足裏の形を作り こんなスリッパ状の物を作ります。
つま先に、ぴったり合うように製作します。
つま先の部分は、布(メリヤス)に
瞬間接着剤を染み込ませたものです。
(製作した足にサランラップ等を巻き、
原型とします。
注意:ここで、このスリッパ部分は
絶対にプラ板を使用しないでください。
(後でアイロンを使用し熱処理するためです。
プラ板だと、アイロンの熱で変形します)
Fig. 8-13
足にスリッパ状のパーツと
縫った革をはめ、
Fig. 8-14
踵の手前側(つま先より側)から、
スリッパ状の厚紙に、Gボンドクリアで
接着していきます
Fig. 8-15
こんな感じです。
踵の内側の革にも
接着剤をたっぷり塗り
Fig. 8-16
踵の内側の革を
接着します。
余った革は、ニッパーで
切り取ります。
Fig. 8-17
こんな感じになります。
Fig. 8-18
踵の外側にも、
たっぷり接着剤を塗り
Fig. 8-19
同様に接着、
余分な革をニッパーでカットします。
Fig. 8-20
次に、つま先を接着します。
スリッパ状の部分に接着剤をタップり塗り
Fig. 8-21
つま先の革が皺にならないように
ギュッーっと、引っ張りながら
接着します。
Fig. 8-22
つま先部分も、
踵と同様に、余った革をニッパーで切ります。
Fig. 8-23
残った部分を接着します。
余分な革は、同様にニッパーで
カットします。
Fig. 8-24
これから靴底を貼ります。
しかし、
このままでは、接着した革が凸凹なので
底の部分にアイロンをかけます。
(革の加工や、人形の靴製作方法の本では、
専用のコテを使いますが私の場合、
簡単のためアイロンを使用します。)
アイロンの温度は最低温度に設定します。
Fig. 8-25
アイロンがけの目安としては
底が平らになり、革の端が
少し、茶色になるくらいです。
Fig. 8-26
靴底を製作します。
製作したブーツの靴底部分から
直に形を厚紙に写し取り
Fig. 8-27
厚手の硬い革(牛革?)に写し取り
切り出します。
Fig. 8-28
ブーツの踵は
スパッツのベルトが当たる部分を考慮し
少し、小さめに作ります。
ナウシカの設定では、
"ブーツにかかとはなく、歩行向きではない"
とありますが、イラストをみると、
Fig. 8-29
参考文献 : 宮崎駿、風の谷のナウシカ 宮崎駿 水彩画集 、株式会社 徳間書店。
"ブーツのかかと"私にはなんとなく、あるように見えます----(困)
それに、かかとの突起がないと、"スパッツ"の足にはめるベルト
すぐに外れそうな気がします。
というわけで
"ブーツに踵は(ほとんど)無く、歩くのには不向き"
というふうに、歪曲して解釈します。
踵は瞬間接着剤を染み込ませて
接着します。
Fig. 8-30
踵をヤスリで整形し
全体に瞬間接着剤を染み込ませ、
竹の様な、しなり感を出します。
Fig. 8-31
靴底が出来ました。
<
Fig. 8-32
ブーツの底にたっぷり接着剤(Gボンドクリア)を塗り
靴底をしっかり接着します。
Fig. 8-33
ブーツの丈を現物合わせで調整すると
完成です。
Fig. 8-34
完成しました。
------つづく------